ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム

福岡市早良区室見 中村孝治ピアノ教室 第24回目のブログ更新です。

今日も前回に引き続き、最近読んだ面白い本の紹介です。

これはピアノを弾く方には必読の一冊だと思います。前書きにいいことが書いてあるので紹介します。

ピアニストは、感性豊かな芸術家であるとともに、高度な身体能力を持ったアスリートであり、優れた記憶力、ハイスピードで膨大な情報を緻密に処理できる、高度な知性の持ち主です。考えてみると実に不思議な能力を持った、世にもまれな存在なのです。

ここで特に取り上げたいのは「高度な身体能力をもったアスリートであり」の部分です。

ピアニストのことをそんな風に考えている方がどれくらいいるでしょうか?

アマチュア、プロを問わずピアニスト自身も自分たちのことをそんな風に捉えている方はまだまだ少ないと思います。

私は周囲の人々に常々言って回っているのですが、私が17歳からピアノを始めて数年でボストン音楽院に入れたのは小さいころから器械体操や格闘技、武道といった全身を余すことなく使う活動をしていたことが1つの大きな要因だと考えています。

本題に入る前にまったくのピアノ未経験者、または超初心者の方々にまず知っていただきたいのは、ピアノは手先だけで弾くのではなく、足のつま先から頭のてっぺんまでを駆使して演奏しているということです。指先というのはあくまで、その最後の出力先でしかない。これはとても重要なテーマです。

本書の内容について

私にとっては全篇通してとても面白い内容でしたが、その中から特に気になった項をご紹介します。

初見演奏の秘密

ちなみに初見演奏というのは初めて見た楽譜をその場で弾くことです。私ははっきり言ってこの初見演奏が大の苦手です。世の中にはどんな難解な曲でも初見で弾けてしまうモンスター級の人たちが存在します。はっきり言ってもはや理解不能だし、人間業ではないと思ってしまいます。

そんなモンスター級の人たちの初見中の目の動き、脳の反応は一体どうなっているのか?逆にプロでも初見が苦手な私のような人の反応はどうなっているのか?

そのデータを取り、比較検証して導き出した答えが紹介してあります。

答えは実際に本を読んでみてください。ちなみに私は初見が早い人たちの脳や目の使い方とは全く違うやり方で初見をしていたことを思い知らされ、強くショックを受けました。

即興演奏を可能にする脳の働き

ジャズピアニストが即興で演奏をするということは皆さんも小耳に挟んだことはありませんか?彼らの即興演奏の能力というのは多くのクラシック演奏家も尻尾を巻いて逃げ出すレベルのものです。

では即興演奏の際に脳内では何が起きているのか?脳内のどの部位が活発に活動し、そこからどんな事実が導き出せるのか?それが科学的にきちんと実証されています。

疲れ知らずのピアニスト、ピアニストの省エネ術

プロのピアニストは長大な楽曲を一人で延々と演奏します。プログラムによっては2時間の演奏の中で数万の鍵盤を叩くほど激しい場合があります。

つまりピアニストには強力な持久力が求められるのです。ピアノの演奏経験がある方ならわかると思いますが、演奏中に腕が釣りそうなくらい疲労し、動かなくなったことがあると思います。しかしプロのピアニストだって同じ人間なのに、どうして平気な顔してあんなに弾けるのか?

脳科学だけではなく運動生理学の見地からも極めて理論的に分析されています。知っていればこれからの演奏に役立つ情報だと思いました。

というわけで...

まだまだ紹介したい内容はありますが、長くなってきましたのでここまでとさせていただきます。アマチュアもプロも、演奏家もピアノの先生も、ピアノにかかわる全ての人にお勧めです!

ちなみに私は8月23日に東京で開催されるこの本の著者 古屋晋一先生の講演会にも参加する予定です!


About the author: koji nakamura

コメントする

Your email address will not be published.