福岡市早良区 中村孝治ピアノ教室 第11回目のブログ、本日のお題はかなり以前の記事に続き大人のピアノに焦点を当てていきます。
前回のブログお読みいただけたでしょうか?前回大人のピアノには「理論武装」が必要だと書きました。それは大人であるデメリットを踏まえた上での必要条件でした。
「効率的に上達する」には「効率的な練習」をしなければいけません。
レッスンで生徒さんを見ていても、大抵の生徒さんが練習の仕方を誤っています。
まずは練習の仕方を練習する必要があるんです。
そもそも練習ってどうやるべきなのか?
多くの方が練習として行うのは「曲の最初から最後まで何度も弾き通す」というやり方。正直これは一番楽しいです。楽しいばかりでどんどんピアノが好きになります。きっと楽しく楽しくて何度も弾きたくなると思います。
だけど、何度弾いてもきっと
「なんか思ってるように弾けないなぁ」
こう思う気持ちがどこかにあるのではないでしょうか?
ピアノを弾く ≠ ピアノを練習する
この認識は重要です。
曲を一通り弾くと「弾けた気」になりますよね。でもそれは細かい問題点をたくさんほったらかしにしたままの状態です。「それでも自分の腕前ではこんなものか」と自分に言い聞かせてはいませんか?
思い通りの仕上がりにならないのはあなたの腕前ではなく練習方法のせいです。
そんなこと言われても何を直せばいいのかわからない...
という方のために一つ基礎的なサンプルを挙げます。
画像は有名なショパンの別れの曲です。
まず上図の① このシの音は出だしの音ですが、最初の音のくせに小節の終わりの拍から始まっていますね。その次のミの音が1拍目、原則として1拍目が最も強いというわけなので、ここのシ→ミには楽譜には書かれていなくても小さなクレッシェンドのようなものが存在するわけです。
一言で言うなら、最初のシは次のミよりも弱くないとおかしいということです。シの方を強くあるいは目立つ音で弾いてしまったらその時点で「なんか違うなぁ」と感じてしまうのも当然です。
次に②のクレッシェンド。あなたはここでどれくらいクレッシェンドをかけたいですか?クレッシェンド開始の音量を1とすると終了の音量は2ですか?3ですか?果たして思った通りのクレッシェンドを実現できているでしょうか?落ち着いてゆっくり自分のクレッシェンドに耳を傾けてみましょう。ちゃんとやってるつもりが意外と...。頭の中で想像している又はCDで聴いた理想のクレッシェンドと違うので当然、「なんか違うなぁ」となります。
この「なんか違うなぁ」には確実に原因があります。そしてそれはセンスとか才能の問題ではありません。
さて話の途中ですが長くなってきたので今回はここまで。③、④の解説と最後の結論はもったいぶって次回に持ち越しです。間をあけずに次回の更新もしますのでどうぞお付き合いください。