福岡市室見 中村孝治ピアノ教室 第22回目のブログです。
ここ数日、色々と考える機会を与えていただいて自分の考え方や行動原理について探求をしていました。
なぜ自分はピアノを弾くのか
なぜピアノ教室をしているのか
なぜ大変な思いをしてまでArt-Chefという団体の理事長を務めているのか
こういったことを誠実に自分と向き合った結果、ひとつの一貫性を発見しました。それは、
音楽を使って広めたい「ある価値観」がある
この思いが自分の仕事の根底には常にあるのだということです。
私が何かをしようとするとき、何かを考えるとき、常にこの一つの価値観が大きく影響していることに気付きました。それは
「人の可能性を決して否定しない」
という考え方でした。これは間違いなくこれまでの自分の経験から生まれ、散々強烈な否定も肯定も受けてきたからこそだと思います。
そしてこの価値観がはっきりと強く刻まれたのはアメリカでの生活です。
欧米人は自信の塊
アメリカやヨーロッパの人って無駄に自信あるイメージありませんか?
実際「なんでお前が!?」って言いたくなるやつたくさんいます。いました。
I am America!とか真顔で言うし(笑)
最初はなかなか驚きました。正直引きました。
でも彼らは明るくて、前向きで、恐れがありません。みんないいやつです。
それは全て自分に自信があるからです。
特に私が通っていたボストン音楽院は、若くしてすでに音楽家として実績がある、つまり現実に成功体験を持っている人たちが多くいました。不思議ですが幸いなことに、私が仲良くしていたメンバーは特に成功している人たちだったと思います。
そんな世界でもかなりハイレベルな音楽家である友人たちが、
ピアノを始めてまだ数年、ずば抜けて下手だった私のことを決して否定しなかったのです。
いや、否定しないどころか
「コージの演奏はこういうところは本当に素晴らしい」
とすら言ってくれたんですね。
今自分がピアノを続けているのも、Art-Chefを創立したのも、今このブログが書けるのも全部彼らのおかげです。
人を否定せず、認めてくれる世界にいたから自分は今ピアニストなんです。
謙虚でも自信満々であれ
謙虚と自信がないは一緒ではありません。自信がなくて得することって何一つありません。
でも今の日本には謙虚なのではなく自信がない人が多い気がします。
私は音楽という媒体を使って、世の中に貢献したい。
はい、大きく出ました(笑)でもいつも本気なんです。
ピアノ教室に来てくれている子供たちには自信を持てる子になってもらたいと思っています。だから普段から叱ることはあっても、決して感情的に怒ることはしません。
叱るのだって
①挨拶をしない ②人の話を聞かない ③宿題を何一つしていない
この3つだけ、あとは最大限ほめてあげたいと思っています。レッスン中にふざける子や暴れてしまう子にも
「元気があっていいね、遊び心があっていいね、音楽は真剣にやらないとだめだけど、真面目にしちゃいけないと思う。だからそういうところはいいね!」
と言ってあげます。だって生真面目で遊び心のない人の演奏ってあんまり面白くなさそうでしょう?
だってレッスン中に暴れたりふざけたりするのって、先生である自分にとって都合が悪いだけで、視点を変えれば悪いことばかりではないはずです。自分の解釈で不要な否定や叱責をしてはいけないと思います。指導者の仕事は相手を否定をせずに、うまく勉強したいと思わせるよう導くことだと思います。
人は否定され続けたらドンドン自信を失います。
自信のない人は精神的にも物理的にもエネルギーを失います。
うちの生徒には自信を持って、人の可能性を認め、将来社会で活躍できる人間になってほしいと願っています。
私にとって音楽はそのための手段なのだ、そう気付いた最近の私でした。