福岡市早良区室見 中村孝治ピアノ教室 第25回目のブログです。

今日は最近私が取り組んでいる曲についてお話をします。

最近は主にバッハ、ベートーヴェン、ラヴェル、そしてJazzに取り組んでいるのですが、その中でもラヴェルの曲についてお話しします。

モーリス・ラヴェル 「水の戯れ」

この動画はラヴェル本人の演奏ということで、今まさに練習している自分にはとても興味深い演奏です。

 

この曲はアメリカ時代の最愛の親友であるピアニストのRedi Llupaが弾いているのを聴いて以来ずっと憧れ、「いつか必ず弾いてやる!」と思っている曲でした。

聴いてわかるとおり、いやむしろそれ以上に超難曲で、実を言うと過去に一度トライして挫折した曲でもあります。

ではなぜこのタイミングでリトライしたのか、理由はただひとつ!

「いつかやる」=「いつまでもやらない」

 

ということを感じていたことにあります。

やると決める

やると決める、そうするとあら不思議

やれる気がする、そして次第に確信に変わる

確信すると迷わなくなる!

 

単に前に挑戦した時より上達しただけでは?と思う方もいるかもしれません。

確かにここ数年だけでも、どんだけArt-Chefが忙しかろうが不思議なくらい自分の演奏能力や音楽的なあらゆる能力が伸び続けていることは常に実感しています。

でも今回「水の戯れ」が弾けるようになりつつあることの本質的な要因はそこではないと断言します。

その答えとは?

その答えを表現する言葉は色々あると思いますが…

体育会系ピアニスト的な言葉で言うのならやはり

「気合と情熱」です。

 

(1)やると決め

(2)退路を断ち

(3)できるかどうかを疑わず

(4)ゴール(弾けるようになる)に向って全力疾走する

 

ということです。

まず(1)がなければ始まらない

そして(2)をしないといつでも逃げ出せる

さらに(3)に反して自分を疑った時点で立ち止まり

(4)のような全力疾走はできなくなってしまう

 

これはピアノに限らず、どんなことする時にも同じだと思います。

私の人生の最たる例を挙げるなら、「17歳でピアノを始めて数年でどうしてボストン音楽院に入れたのか?」

(1)19歳のときにピアニストになると決心し

(2)結果を残せなければホームレスにさえなってもいいと腹をくくり

(3)無理かもしれないという不安や恐怖にも決して屈することなく(何度も屈しかけたけど)

(4)1日15時間の練習を365日やり続けた

 

あれ?(3)で自分を疑ってない?と思う方もいるでしょう。

ええ、その通りです。人間は何の不安も抱かずにゴールに突き進めるほど強くありません。

例えどれだけ好きなことだとしても、楽しいことばかりでは決して大成できません。

 

おっと、なんだか説教臭くなってきたのでここで自重します。

ピアノを弾くということ

ここで、ピアノという習い事を「お上品な趣味・教養」と思われている方がいらっしゃいましたら耳を傾けていただきたい。

ピアノ演奏を習得するということは私からすると柔道や空手道、合気道と同じく、もはや一つの道、「ピアノ道」なのだと考えています。

柔道と同じく心・技・体があり、それらが不可欠であるということ。特に心(心の強さ、前向きな心構え)は絶対に不可欠で、子供たちにもそれは伝えていきたいと常々考えています。

無理、できない、そんな言葉を漏らす子供には、確信を持って

「絶対にできる、絶対できるよ!」

と声をかけ続けます。そうするとある日突然、「できる気がしてきた」という言葉を子供の口から聞けることがあります。

「しめた!」

と心の中で思っています(笑)

 

さてさて今回はいつも以上に暑苦しく、長い内容となってしまいました。

まだまだ経験豊富なベテランのピアノ教師というわけではありませんが、こういった思いで人一倍常に勉強しています。長々とお読みいただきありがとうございます。

不思議なことにこれを執筆中の深夜0時、早良区室見では外から時折ほととぎすの鳴き声が聞こえます。

何はともあれ、これからも中村孝治ピアノ教室をよろしくお願い致します。