福岡市早良区室見 中村孝治ピアノ教室 第26回目のブログです。

先日福岡の若手のピアニスト(男)3人で飲み会を開きました。

30歳の自分が年長で、あと2人は26歳の塩川正和くんと20歳(大学生!)の折居吉如くん

とは言っても二人ともピアノに関しては私よりもピアノ歴は倍くらいの大先輩です。実際、演奏に関してはいつも若い2人の実力に惚れ惚れします。演奏技術がとにかく半端じゃないのですが、しっかりそれを上回るだけの表現力も持っていて、その緊張感あふれる音楽性に引きこまれます。

男同士で音楽談義

塩川君はフランス帰り、折居君は今まさに大きな国際コンクールに挑戦中の現役戦士

そんな若い二人と念願の飲み会を開催することができたのですが、実は塩川君とちゃんと話すのは今回が初めて。最初に一言挨拶をした時点でもっと話してみたい男だと感じていたのですが、先月5月の彼のソロリサイタルを聴いたことでその思いはより強くなったのです。

その人の演奏を聴いて興味を持つということはまさに音楽家同士の特権かもしれませんね。経験上、「演奏に惹かれる」というのは「その人の人間性に惹かれる」ということと極めて等しいように思います。

さてさて話を戻しますが、今回彼らとは実際に酒を酌み交わし、お互い腹を割って話ができたと思います。音楽家の集まりとなると滅多に男だけということはないのです、今回は男子校状態!男同士で音楽について、また音楽界について暑苦しく語り合いました。

話をしてみて驚いたのは一見ちゃらい(笑)塩川君のルックスとは真逆に驚くべき熱さと男らしさを彼が持っていたことです。体育会系ピアニストはそういう男、非常に好きです。

二人の若き先輩が教えてくれたこと

若く熱い二人と話をしていて、改めて重要なことに気付きました。

音楽に重要なことは何なのか、至って普通のことを言います。

最も重要なのは「真剣に向き合うこと」です。

 

たとえ突出した演奏技術や音楽性を持っていても、日々音楽と真剣に向き合い続けていなければ決して人を感動させる演奏はできないということです。

常に音楽のことを考え、より美しい音を創ることに時間をかけること

言うならば、決して妥協のない音へのこだわりです。

プロとアマチュアの決定的な違いはここじゃないかと思います。

 

実はプロと遜色ない演奏力を持つアマチュアの方は決して少なくありません。しかし音楽家として生きていくことを決心した人とそうでない人の演奏には越えられない壁があります。

その壁は「決意と決心」です。

私が塩川君や折居君に心から興味を持つ理由は、彼らの演奏には鬼気迫る本気の思いを感じるからなのだと気付きました。思い返せば、これまで自分が音に惹かれ親しくなったアメリカの友人たちも本気だった

逆に考えると、プロでも「決意と決心」が揺らぎ崩れた時点でプロとは言えなくなるのかもしれません。これは私自身も忘れてはいけない恐ろしい事実です。

教室では指導者として、ステージでは演奏者として常にプロの「決意と決心」を忘れては良い仕事はできませんね。

それにしても細い二人と並ぶと顔が必要以上にデカく見えて嫌ですね…。これは遠近法のせいです(笑)

最後に塩川君のコンサートのお知らせです↓。個人的に強くお勧めなので是非足をお運びください!(まだチラシの画像がないの残念!)

 

2台ピアノの祭典 岩尾麻梨菜・塩川正和 デュオリサイタル

2台のピアノを使った演奏の魅力がふんだんに盛り込まれたプログラム。

ピアノ合奏曲としては王道のラフマニノフ作曲『組曲第2番』、プーランクの『ソナタ』の他、今日では管弦楽作品として有名であるが原作は2台ピアノのために書かれた作品であるラヴェルの『スペイン狂詩曲』、また日本では初となる『3つのムード』も演奏される。

◇Program◇

D.Shostakovich : Concertino a-moll Op.94

C.Saint-Saens : Danse macabre g-moll Op.40

M.Ravel : Rapsodie espagnole

F.Poulenc : Sonate pour 2 pianos

T.Weaver : Three moods

S.Rachmaninov : Suite No.2 Op.17

*あいれふホールには親子室も完備されております