福岡市早良区、東区 中村孝治ピアノ教室、久しぶりのブログ更新です。

今日は最近のレッスンで起きたある面白い出来事についてお話しします。

練習を楽しくする仕掛け

昨日今月で小学3年生になった男の子のレッスンでこんなことがありました。

まだ発表会直後でしっかり弾ける曲も用意できていなかったため、内容的にはとても単調な、しかし意外に難しい基礎のトレーニングをしました。

トレーニングを始めてまもなく、思い通りに指が動かないことに彼はストレスを感じ始め、間違える度に「あぁ~」と言いながらがっくり。まず私はこんな言葉をかけました。

「はいはい、落ち込んでも出来るようにはならんからもう1回行くよ~」

それで更に8~10分ほど粘ったところでしょうか、ついに彼が限界を迎えました。疲れて集中力が切れ、他のことをやり始めたのです。

そこで私から彼への新しい提案。

「それじゃあ次間違えたら、そのたびに変顔しよう。ただし同じ顔は2回使ったらダメだよ」

その提案に彼は水を得た魚のように意気揚々と再び集中して基礎のトレーニングを再開してくれました。

間違えないようにするゲーム的なスリルと、間違えても面白い変顔をするという楽しさ。この両輪で彼のモチベーションと集中力は高まり、結果的に45分ほどその単調な基礎練習を続けた結果、最終的には始め全然できなかったことが何とか1回のレッスンで出来るようになりました。変顔も10回ほど披露してくれました(笑)

 

モチベーションをどう導くか

人は結局楽しいこと、好きなことしかやりたくないんですよね。私自身好きなことはとことんやりますが、逆にそれ以外のことには驚くほどいい加減な人間です。

やりたい曲の練習は見事に計画的に楽しく進んでいきますが、義務的にやっている曲の練習は一向に進みません。そしてそこには曲の難易度なんて関係ないんです。

私自身がそうだからこそ、楽しくないということがいかに学習効果や成果に影響するかをよく理解しています。指導する立場にある人がしなきゃいけないことは強制したり指示や命令をすることではなく、いかに楽しくさせるか、どう楽しさを知ってもらうか、それを追求することだと思うんです。

そして何より楽しくレッスンが終わるとお互いに明るい気持ちでその日を終えることが出来ます。それ以上のことはありませんね。

今日はここまでです。いつもありがとうございます。