こんにちは、名島校の折居です。

今回も前回に続きスクリャービンの格好いいピアノ曲について話していこうかと思います。

今回はスクリャービンのピアノソナタ第4番。この曲はソナタには珍しく2楽章で構成されています。(あるいは序奏付きの単一楽章)

スクリャービンはピアノソナタを全部で11曲書いているのですが、一般的に認知されてるのは9番の『黒ミサ』まで。
残りの2曲は未発表の作品なのでコアなファンしか知らない作品ですね。

このソナタ4番は、スクリャービンのソナタの中でもと技巧と表現の両曲を唆られ、これまでのショパン的傾倒からリスト的な作風への変遷も窺える作品です。

基本的に全部短調で暗い作風のスクリャービンですが、この作品は珍しく長調、甘くメロウな旋律と浮き足だったリズムが魅力的です。

もう一つ特徴な形式として、ロマン派時代に確立された『循環形式』を曲の構成に組み込んでいることです。
循環形式は簡単に言うと一つの大きな主題(テーマ)の断片(一部分)を曲のあちこちに紛れ込ませて、一つの作品として完成させるものです。
なので曲中のあちこちにテーマのキラキラした表現を垣間見ることができるのです。

演奏時間も7〜9分とソナタとしては小規模ですが、それを感じさせない多幸感と法悦感の浸ることができる、あるいは宇宙の未知なる神秘感を感じることさえできる名作です。
前の記事の練習曲Op42-5でも書きましたが、僕は一時期このスクリャービンというミュージック・ドラッグにハマり、寝食場所を選ばず、ずっと聴き込んでいた程の中毒性が高いので、聴く時はくれぐれもお気をつけて(笑)

そしてこの記事を読んでスクリャービンにハマってしまった人がいたら、一言言わせてください。

ようこそクラオタの世界へ!