手遊びのやめられない小学1年生の生徒さん。
うちに通い始めてかれこれ3年ほどでしょうか。
これまで「先生が話してる時は手を止めて」といつもレッスンで注意をしてきました。
とても良い子なのですが、手遊びに関しては結局特に改善をすることなくここまで来ていたのです。
 
改善されてないということは、「注意する」という行為には全く効果がないということです。
そこで最近彼への関わり方を大きく変えました。
 
「〇〇くんが手を止めたら話し始めるね、それまで待っとくから」
 
彼にこう声をかけ、叱るわけでもなくじっと待つのです。
正直こちらは焦れったい。
手遊びを止めて指導に入りたい!
しかしジッと待ち、目が合えば笑顔で返す。
 
すると彼自身がふと私が待っていることに気付き、自発的に話を聞く姿勢になってくれる。
私からは一切彼の行動を止めることなく、変えようとすることもなく自ら変わってくれた瞬間です。
もちろん時は悠久の時を感じるほど待たねばならない時もありますが、止めたところで意味がないならよほど価値のある時間です。
 
また一旦私が話し始めても、再び手遊びを始めることがあります。
その時は私も話すのを止め、再び待つ。
 
こういった関わりに「甘い」とか「ぬるい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現に私はこういった関わりを通して、
この子に限らず以前よりも温かい関係性の中で、より効果的なレッスンを実践できていると感じています。そして何よりお互いにとってストレスの少ないレッスンが出来ています。
 
特に子供を相手するなら、上手くいくかどうかは「どう従わせるか」ではなく「どれほど待てるか」が決め手ではないかと思うのです。