こんにちは、室見校の中村です。
今日はしっかりと演奏について話をしたいと思います。
レッスンでも私はしきりに生徒さんに「音をよく聴いて」と言いますが、そもそも「音を聴く」という言葉は一体どういうことなのでしょう?
改めて考えてみると、とても曖昧なことかもしれません。
なので今日は「音を聴く」の意味についてお話ししたいと思います。
何を聴けばいいの?
まずざっくりと思いつく要素をリストアップしてみましょう。
- 音の長さを聴く
- 音の大きさを聴く
- 横の流れ(旋律の流れ)を聴く
- 縦(両手の音が揃っているか)を聴く
- 音色を聴く
- 音の立ち上がり方(始まり方)を聴く
- 音の切れ方(終わり方)を聴く
- 和音の響き(雰囲気)を聴く
- 左右のバランスを聴く
さっと思いつくものを書き出しましたが、少し考えただけでもこれだけの要素を挙げることができました。
じっくり考えれば、更に列挙することも出来ると思います。
「音を聴く」ということは、これだけたくさんのことを確認する大変な作業です。
こうして考えてみると、指導される側としては「音をよく聴いて」というのは乱暴な指示なのかもしれません。
ブログを書きながら反省しております…。
ピアノの演奏においては「音の聴き方のレベルがその人の演奏のレベルになる」と言われることもあります。
これについては私は100%肯定します。
なぜなら私自身、日本に帰国してからのこの10年間で大きく聴き方のレベルが上がり、それに比例して演奏のレベルが向上したことを実感しているからです。
約10年前に福岡のあいれふホールでソロリサイタルを開催しましたが、今となっては聴くに堪えない部分が多々あります。
今の自分にはそれが聞こえるようになったからですね。
優れた舌を持つシェフが素晴らしい料理を作るように、優れた耳を持つ人が良い演奏を奏でることができるのです。指先のテクニックも良い演奏を作るために大事なことですが、もっと大事なのは耳!
音の捉え方が変わった瞬間に、テクニック的な問題を感じていたパッセージが楽々弾けるようになることもあるのです。
とりあえず今日は導入としてここまでとさせていただきますが、とても大事な内容なのでぼちぼち続きも書いていきますね。
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